令和三年三月場所千秋楽観戦記
十枚目取組・一(令和 3年 3月28日)



●荒篤山(寄り切り)錦富士○

 荒篤山先に立って両手で突き起こすが、額で当たった錦富士動ぜず宛がい、上体を下げて挟みつけんとし、左から撥いて左から右と下手、煽って一気に東に寄り出した。
○千代の海(押し出し)大翔鵬●

 大翔鵬珍しく左おっつけの恰好で立つと千代の海額で当たって左おっつけ右喉輪から左でも突き、次いで左筈右喉輪、両筈に入って白房に押し込み、向正面寄りに押し出した。
●竜勢(押し出し)矢後○

 矢後右で張って左を差そうとすると竜勢は右を固めて僅かに覗かせるが、矢後左筈右で肩を押して青房に攻め、次いで叩こうとして右手が髷に掛かるがすぐに抜き、左外筈右で引っ張り込もうとし、一度突き放し、次いで左差し狙いで当たる。竜勢嫌って右に逃れんとし、黒房に押し出された。
●貴健斗(突き落とし)松鳳山○

 松鳳山右で張って左を差そうとし、貴健斗が振りほどいて突っ張らんとすると松鳳山左を固めながらはね上げ、貴健斗がかまして白房に出んとするところ松鳳山右に飛んで去なし、泳がせて飛び出させた。

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