令和三年五月場所十四日目観戦記
十枚目取組・二(令和 3年 5月22日)



●錦木(寄り切り)佐田の海○

 両者額で当たって佐田の海左差し右をも入れんとし、錦木が閂に極めようとすると佐田の海左掬い投げで振って白房に詰め、寄り切った。
●琴勝峰(上手出し投げ)大翔鵬○

 大翔鵬右を固めて右肩で当たると琴勝峰額で当たって左から去なしたが、左おっつけが弱くて大翔鵬に右下手を与える。右下手の琴勝峰上手を嫌って右腰を引いたが上手を取られる。土俵中央やや向正面寄り、両者逆足で数呼吸。大翔鵬引きつけて矢柄気味に右に振ると琴勝峰右下手投げで抗い、土俵中央に戻る。また数呼吸、琴勝峰左でおっつけるが大翔鵬動かず。琴勝峰右足を前に出してやや半身になる。大翔鵬両廻しを引きつけ東に進もうとすると、琴勝峰右下手投げで振り左上手前褌を探るが取れない。さらに十数呼吸、大翔鵬正面に出んとすると琴勝峰右下手投げで振り、左からおっつけんとするも、大翔鵬やや右に動いて右を上げる。またまた数呼吸、大翔鵬右に振り、残した琴勝峰がごく僅かに左でおっつけたあと右下手投げで引っ張ろうとするが全く効かず、土俵中央に戻って止まってしまう。ややあって大翔鵬が寄り身を見せると琴勝峰右下手投げで振って数呼吸、琴勝峰揺すって左おっつけから上手を求めるところ大翔鵬腰を据え、琴勝峰が左足を引くところ、大翔鵬左上手出し投げ、琴勝峰を白房前に這わせた。
○豊山(外掛け)常幸龍●

 豊山両手突きから突っ張ると常幸龍左で宛がいながら右を筈にしようとすると豊山なお突っ張り、常幸龍が数度左前褌を探って取ると豊山右で切って左で喉を突き上げ、常幸龍が右下手前褌を引くと豊山左でおっつけて左に廻り、左上手を深く取って額をつけ、常幸龍が右下手を取って下手投げにいく端、左足を飛ばして外掛けにいき、東に倒した。

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