令和元年九月場所八日目観戦記
そ　の　一(令和元年 9月15日)
　ほぼ 1年ぶり、今秋の観戦は中日 8日目のみ。今回の相方は、前回連れてきた後輩夫婦の同期にあたる。

　チケットはすっかり捌けてしまっているが、その割には意外に人が多くない国技館前。このときだいたい11時半くらい、確かに最も入場者が少ない時間帯ではあろう。 切符売場上の液晶モニターには、休場力士のお知らせが。前回は 3横綱が皆勤したが、今回は序盤順調に滑り出した鶴竜が急激に崩れてこの日から休場、 運悪く横綱は誰もいない。次に表示されるのは、さらに寂しい引退力士嘉風のお知らせ。思えば、年が明けてから稀勢の里・豪風・安美錦と、 15年くらい見る者を楽しませてくれた人々が去っている。それよりはやや短いが密度の高い活躍ぶりを示した嘉風もその列に加わり、時の移ろいを感じさせる。

　さて入場。鶴竜・白鵬の写真が出迎えてくれるが、残念ながら写真は動かぬ。大関陣の立ち姿の写真は 2階にあって、安・豪栄道・栃ノ心という顔触れは昨秋と変わらない…が、それは結果的にそうなっただけ。 貴景勝が上がって落ち、栃ノ心が落ちて上がり(そしてまた落ち)と、今や大変動の真っ最中。

　優勝賞品なのだが… 5月に登場したアメリカ合衆国大統領杯が立っている。毎年 5月にしか授与されないはずなので、ちょっと不思議。 この大統領杯の蔭に隠れる恰好になって不運だったと思われるのが、同じく 5月に新調されたハンガリー国友好杯。 これは大きなティーカップ。旧トロフィーは茶色の大きなもので、「日洪友好杯」と書かれた壺だったのだから、まさに一新である。 新しいティーカップも従来の壺も、いずれも陶器。壺もさぞや重かったろうと思うが、このティーカップも重かろう。 茶をなみなみと注ぎ込み、力瘤をつくってグイと一飲み…いや力士ならできるかも。中身は茶でなく酒になるかも？
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