平成二十七年九月場所二日目観戦記
そ の 十三(平成27年 9月14日)
白鵬左手を出したが、嘉風はもう一つ両手突きをくれた。これは効いた。白鵬は右足が流れ、体が反り加減に伸びた。嘉風すかさず左に引いた。 白鵬は右前に飛び、右手左手と土俵に落ちて 2連敗。館内またまた座蒲団が宙を舞い、白鵬は控えに戻り、両手の砂を嫌って払い落としている。 隠岐の海は 1日でヒーローの座を去ってしまったが、代わって嘉風がそこに収まり、なんとなんと千秋楽まで譲らなかったのだから、その充実ぶりには瞠目するばかり。 翌日には鶴竜を倒し、 3横綱になった26年 5月以降の横綱戦は驚く莫れ 6勝 5敗と 1点の勝ち越し、金星 4個の荒稼ぎである。こんな33歳見たことない。
結びは鶴竜としては流れの悪い相撲で、碧山には突っ張らせなかったが鶴竜の突っ張りも高く、勘の良さで切り抜けたところが髷を引いたかどうかで物言いをつけられ、 何とも間の抜けた最後になった。
ともあれ結びは横綱の白星で座蒲団の心配もあまりなく、初日よりは安心して弓を振ることができた聡ノ富士、弓を左手に持ち替え、 今日のお役目これにて終了。
初日よりは見どころが多く、嘉風とともに 1日遅れのお目覚めといったところ。強さを謳われた白鵬が沈み、筆者は昔むかし強さを謳われた雷電の史跡を索めて翌日長野へ向かったのであった。
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