令和元年九月場所八日目観戦記
そ の 七(令和元年 9月15日)
中入後前半戦の中で観客のほとんどがお目当てにしていただろう、炎鵬が西から土俵に上がってきた。相撲の遅い錦木が相手とくれば、 錦木には悪いが炎鵬の独擅場になりそう…と思ったが、そうは問屋がおろさない。炎鵬額で当たって左右からおっつけるのだが、 それは錦木が右を抜いてくれるという甘い見込みによるものなのか、どういう展望を描いたものかよく分からない。 だいたい、左右から同時におっつけるというのは、力量差が懸絶していなければ効いてくれない。 しかも、錦木がこれほどの猛攻を仕掛けてくることも稀だ。炎鵬体勢を下げて懐に入ろうとしたようにも見えるが、 どちらかというと錦木に押さえつけられているという色の方が濃い。どうにもならずに押し倒され、錦木の独擅場でこの一番は幕を閉じた。
突っ張って攻め込んだ琴勇輝だが、左喉輪の詰めが早かったようで豊山の後ろには少しだけ余裕があった。暗転の琴勇輝。
勝ちっ放しの隠岐の海、阿武咲をふん縛るの図。右で抱えて左でおっつけると阿武咲は身動きが取れない。 阿武咲それなりの時間粘ったものの、隠岐の海珍しく腰を据えて捕まえ、中日で勝ち越す。
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幕内取組・二
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