令和元年十一月場所初日観戦記
そ の 五(令和元年11月10日)
関取として取る最初の相撲、豊昇龍。見れば見るほど若き日の朝青龍に似ている。突きっ放して攻め込むのもやはり似ている。 ただ、18年前の朝青龍と比べて足は前に出る。右四つからの寄りを堪えられたが、右に動くや明瀬山の左足を攫う内掛け誠に鮮やか。
新しい青の締め込み、上り坂の琴勝峰。これをはね返したかった臥牙丸は、両膝ともに使い物にならない。左足がスーッと下がっていき、 俵に掛かると今度は右足。全く為すところがなかった。これでは琴勝峰の現状は測れない。
長男黒星のあとをうけ、次男の若元春は西から登場。桟敷では僧帽筋の話でやけに盛り上がる。ところがこの一番、僧帽筋を生かす遑のあらばこそ、 下手を探った左を抱え込まれ、乾坤一擲天空海の右掛け投げに宙を舞った。
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十枚目取組・一
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