令和二年九月場所初日観戦記
十枚目取組・二(令和 2年 9月13日)



○明瀬山(寄り切り)千代鳳●

 明瀬山額で当たろうとすると千代鳳その下から入りながら左を固め、左を差そうとする。明瀬山左で突いて右前褌を探ると千代鳳左に廻って去なし、明瀬山が突っ張ると千代鳳はね上げて左を差したが、明瀬山白房に下がりながら右を巻き替えて下手、千代鳳の右喉輪を外して左で上手を取り、東に寄ってさらに左を巻き替える。千代鳳嫌って左を巻き替えると明瀬山体勢を下げて右上手出し投げ気味、次いで巻き替え合って左四つとなり明瀬山両廻し、数呼吸して明瀬山引きつけながら右膝を使って青房に寄り進み、寄り切った。
●英乃海(寄り切り)剣翔○

 剣翔右を固めて左で前褌を取り、英乃海が右を覗かせて左をも入れんとすると剣翔差し手争いに勝って右四つ、英乃海が一重の右下手を頼りに向正面に出んとすると剣翔左上手投げで振り、右を返して煽り、赤房に寄り切った。
●美ノ海(上手出し投げ)水戸龍○

 僅かに呼吸がずれてはいたが、隆男のはっけよいの声にもかかわらず両者相撲をやめてしまいやり直し。水戸龍左で張って右を差そうとすると美ノ海右で肩口を押さえながら額で当たって左前褌、次いで右でも前褌を狙う。水戸龍右で抱えたあと左に廻って美ノ海の左を切り、さらに続けて美ノ海の右腕をとったりで引っ張ってから左後ろ褌、美ノ海嫌って切ると水戸龍左で引っ張り込んで右四つ、美ノ海が右下手を一枚握ると水戸龍やや深いが左で上手を取り、美ノ海が右足を内から飛ばすと水戸龍の左は四ッ辻に移り、左上手出し投げで赤房に美ノ海を振り倒した。

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