令和二年九月場所初日観戦記
そ の 四(令和 2年 9月13日)
北はり磨は左おっつけ右筈で押し上げ、低く構えて左差し、腕を返して寄り切る。昔のままの相撲振り。貴源治はどうも図体だけで取っているようにしか見えない。
水色の締め込みは王輝、相手は錦富士でこちらも関取としての初土俵となる。ガチガチの左四つの王輝、左下手を引いて右おっつけで出るのだが、 錦富士は右上手にも手を掛け、素早く体を廻して左下手投げ、豪快に黒房に投げ捨てる。鮮やかな水色が鮮やかな投げに宙を舞う。
では同部屋の翠富士はというと、うまく去なして右上手を取り、右上手投げで鮮やかに…とはいかず、左を突きつけられてまともに赤房に寄り倒された。 白鷹山の左腕、翠富士を圧し塩籠をも押し潰し、怪腕振りを発揮。
千代鳳は左を差して煽って攻めたが、うまく体が密着せずに巻き替えられてしまい、右横褌を取られてしまった。盛んに首を捻る千代鳳、確かに途中までは完全に千代鳳の流れだったはずなのだ。 ただ、右足が上がって腰高になったのは千代鳳らしくなかった。
高田川審判長が右拳を以て意図するところを伝えんとする図。拳ということは立ち合いに手を着いていないぞということで、さてどっちだろうと思ったが、 よく考えると天空海は両拳をいっぺんにドカッとおろす人、曙みたいにしっかり着けばいいのだが、天空海は浮いていることがかなり多い。この写真は二度目のやり直しのもの。 三度目も天空海は右が浮いていて、これは朝之助に止められた。四度目も天空海はさっぱりダメで、そのまま成立はしたが突き落とされて左肩から土俵に落ちる。 呼出しが審判長に呼ばれたところをみると、このあと天空海は怒られたのではなかろうか。
(以下次頁)
十枚目取組・一
十枚目取組・二
十枚目取組・三
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