令和三年三月場所二日目観戦記
十枚目取組・二(令和 3年 3月15日)



●貴健斗(寄り切り)矢後○

 貴健斗額で当たって突っ張ろうとすると矢後左で宛がい、右で突いて左を差さんとし、武将山が体勢を下げて右でおっつけると矢後一堪えして右に叩き、右で顔を押さえて左差しにいき、武将山右でおっつけると矢後右から極めるように白房に攻めて左を入れ下手、次いで右上手も取り、揺さぶりながら引きつけて出て正面青房寄りに寄り切った。
●水戸龍(寄り切り)貴源治○

 貴源治額で当たって左を脇腹に宛がい右喉輪で起こし、水戸龍が体勢を下げて右横褌を狙うと貴源治両差し狙いから右喉輪で押し、頭を下げて突き上げんとし、水戸龍が右を差そうとすると貴源治右喉輪で押しながら左上手を取り、腹を寄せて黒房に寄り切った。
●白鷹山(送り出し)松鳳山○

 松鳳山右で張って左を固めると白鷹山左おっつけ右で肩を突き放し、突っ張って西に出んとする。松鳳山左ではね上げながら左に廻り、右で一つ張って左差し、右横褌を取って右に廻り、西から向正面、さらに東に廻って左で頭を押さえ、青房を経て土俵中央に入りほぼ一周、白鷹山右で松鳳山の左を殺そうとすると松鳳山向正面に下がりながら右から出し、送り出した。
○宇良(押し出し)旭大星●

 旭大星右で肩を突きながら頭を下げて左を筈にせんとすると宇良頭を下げて左に変わり気味に立ち、左右でおっつける恰好。次いで互いに頭を下げて見ながら押し合い、と見るや宇良さらに体勢を下げて両手で旭大星の右膝を狙い、旭大星が嫌って青房に下がりながら頭を下げると両者また押し合い、旭大星が右肩を押して土俵中央に押し返すと宇良左を伸ばしての右足狙いで脅かし、旭大星左に廻りながら両手で突くとまた両者頭を下げての探りながらの押し合い、旭大星左に廻ると宇良両手で突き、旭大星がやや押し返したあと右で叩くと宇良両手で胸を突いて起こし、白房から右に逃れんとする旭大星を向正面に押し出した。

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