令和三年五月場所七日目観戦記
そ の 四(令和 3年 5月15日)
北の若、急ブレーキ。よくぞ止まった。しかも大長身の不利を消す腰の据わり、右を覗かせ左で上手、体を開いて投げ捨てた。 大きな相撲だけでは魅力はあっても穴が大きすぎる。幕下上位でなかなか星が伸びないが、ちょっとずつ穴を埋めているようだ。
十枚目力士の土俵入り、東西ともに後ろ 2人に注目してみよう。東、殿リをゆく炎鵬と、その前を歩く徳勝龍は、さながら親子遠足。 徳勝龍はまあまあの調子だが、炎鵬は絶不振である。右足首に加え、 2日目の宇良戦で足が流れて体を寄せられないうちにガッチリ極められ右肘も痛めた。 幕内で華々しい活躍を見せてから 1年半近くが経ち、再び目の前に近づいてきた幕内の舞台だが、すぐには戻れそうにない。西は宇良と千代ノ皇。 千代ノ皇の化粧廻しには心技体の 3文字が躍るが、宇良のそれには技の一文字。確かに宇良は技だけということではないが、宇良の旗印といえば、やはり技だ。 一方の千代ノ皇、腰痛を持っているから「体」を整えるのが難しい憾みがあるが、30歳を目前にしてどうやら整調成ったようだ。
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