令和三年五月場所十四日目観戦記
そ の 四(令和 3年 5月22日)
東幕下筆頭で 4勝している荒篤山、たぶん関取にはなれるだろうけど、もう 1つ勝ってダメを押したい。相撲内容はお世辞にも良いとは言えなかった。 左前褌を取られかけた。右を突き外して前に出られなかった。青房で俵を背負った。しかし相手の間合いにはしなかった。これが効いて白星をもぎ取った。 喜びというより、一安心の思いが先に立ったろう。
道産子旭大星の色黒に驚く相方。色白の錦富士と好対照。亡くなった大翔鳳が、夏合宿明けの秋に日焼けした姿で登場するも、九州にはまた白く戻ってしまっていたのをなぜか思い出す。 錦富士は左を差すというよりも、まずは旭大星を起こすことに専念したが、その執心は実ることなく、逆に押し返されて距離が離れすぎてしまった。
実は相方は渋好みの模様、ご贔屓第一号の松鳳山が登場してきた。松鳳山右で張って註文通りの両差しに成功、王鵬の右腕は完全に万歳で、成功も成功、大成功である。 尤も、嘗てのような猛攻は望むべくもない。体力に勝る王鵬、左おっつけで攻めようとする。けれども体勢に勝る松鳳山、そんな無茶攻めに崩れるようなヤワじゃない。
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十枚目取組・一
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