令和四年九月場所千秋楽観戦記
そ の 十五(令和 4年 9月25日)
前日玉鷲の 2発に吹っ飛ばされ、 9勝してから 2連敗の翔猿には隆の勝、容易ならざる相手だ。
隆の勝が基本に徹しようとして顎を引きながら突くとなんだかユーモラスにも見えるが、翔猿に宛がわれて苦しみながらも攻めようとしている。 しかし翔猿離れて隆の勝に右差しを許さず、主導権を渡さない。さらに 2度右足を飛ばし、最後には右の一撃で起こして押し出し、絶好調の証の10勝目。 清々しい表情の翔猿に大拍手が贈られる。だが翔猿、右足が痛い。勝ち名乗りを受けたら堪え切れずに青房へ。
そしていよいよ、東に12勝 2敗の玉鷲、西に11勝 3敗の安。これだけ盛り上がった直後、まさに舞台は整った。
時間前の仕切りは 2回、両者おおよそ普段通りの仕切り振り。白房下で安が廻しを 3度叩けば、館内拍手が沸き上がり、 制限時間はいよいよいっぱい、両者蹲踞の姿勢を取り、安いつものように手を 3度拍った。
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