平成二十七年七月場所八日目観戦記
そ の 十五(平成27年 7月19日)
阿夢露に千代大龍、両者とも土俵から浮いているかのように見える珍写真だが、阿夢露はちゃんと左足が地に着いている。 宛がわれて苦しい千代大龍は叩こうとしたが引き足がない。後ろ向きの成分がなく上向きの成分だけがあるような動き。かまされてさらに崩れた。
一方の嘉風、腰が決まった出足速の攻め。粘りが失せた時天空が相手ゆえ、対照が鮮やか。
そしてこの日の好取組の一つ、大砂嵐に遠藤の一戦は、中日の日曜に相応しい。前回筆者が見たときはまだ幕下、遠藤は髷も結っていなかった。 遠藤は左膝の大怪我から 4か月、無謀としか思えない出場だった 5月場所も渡り切り、落ち着いた取り口で好調だったが、この場所判で押したように両手突きで立っていた大砂嵐にはなすがままにされた。 大砂嵐両手突きから左に廻って上手、そのまま廻って正面に追い込むと、遠藤対応できず井筒審判長を押し潰してしまった。 大砂嵐は前場所折った左肩胛骨が痛い痛い、それでもこの日からテープを取って出てきたのには驚かされた。一方の遠藤、遅すぎる仕切りは不快で、上手さが光る相撲振りに翳を与える。
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