平成三十年九月場所初日観戦記その十二

平成三十年九月場所初日観戦記
そ　の　十二(平成30年 9月 9日)

　では白鵬を多めに取り上げてみる。盛り上がりからすれば稀勢の里なのだろうが、筆者の席から最も見やすかったのが白鵬なので、白鵬を選んだ。

　型自体は前回観戦の29年11月と特に変わってはいない。不要な力みが目立ち、統一感が皆無で芯がない。言ってみれば、不要な装飾ばかりが目立つと表現することもできよう。せめて最後の塵浄水を最初と同様にするだけでも評価が変わるのだが(逆だと評価がさらに落ちる)。白鵬のせり上がりは途中から足運びがままならず、腰がぶれる状態がこの 2年ほど続いている。もう一つ、左の四股の際における左膝の開き具合が狭くなり、やや前向きになっている。四股の前に左足を引くとき、24年頃から右足の前に左足を引くようになっていて、それはつまり体が右前(青房)向きになっているということでもあるが、それを割り引いても膝が前向きにすぎるように思われる。
(以下次頁)