平成三十年九月場所八日目観戦記
そ の 六(平成30年 9月16日)
十枚目の土俵入り、色とりどりの化粧廻しをつけ、もろ手を挙げるそのさまは、百花斉放とも言えようし、大輪の花とも見られよう。
幕下上位最初の取組、東の徳真鵬が立ち合いから両手で喉を押さえる。腕力に任せて喉を押すのは徳真鵬の得意だが、今回はこれを10秒続けたものだ。 それは磋牙司も殆ど動じなかったということを意味する。じわじわと沸く館内。磋牙司が左から去なすと、飛んだのは徳真鵬の体ではなく、右肘のサポーターだった。
4番目、東は若元春の兄、若隆元。一山本の突っ張りにも上体を上げず左下手、両差しになって黒房に進み、一山本が右から左と振って逆に両差しになると若隆元体を大きく廻して右上手投げ、右膝ではね上げて黒房に投げ倒した。 若隆元は東 7枚目、初めての一桁枚目で 2勝 5敗の星、こちらは関取昇進を視野に収めるにはもう少し時間がかかりそう。
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