平成三十年九月場所千秋楽観戦記
そ の 四(平成30年 9月23日)
14日目を終えて十枚目は 2人いる 4敗が最高成績で、 5敗も何人かいたが、 4敗の大奄美が勝って 5敗力士の命脈を断ち切った。 命脈といえば臥牙丸だ。 6勝 5敗から急転の 4連敗、まるで体に力が通っていない感じ、下 2枚半では幕下への陥落は免れまい。
さっきの剣翔
だけでなく、この日は土俵から勢い良く落ちる力士が多かったような気がした。 豪風は当たりがまるで通ぜず、明瀬山という壁がポンポンと突きながら迫ってくると、どすんという音(何となくだが、 片仮名よりも平仮名の方がしっくりくるような鈍い音)とともに赤房下の砂かぶりに落ちていった。
大奄美が勝ったので 5敗の炎鵬は勝敗によらずこれがこの場所最後の相撲、優勝の目がなくなってもきちんと左前褌を取って素早く形をつくりにかかったが、 大翔鵬の大雑把な相撲に引っ掛かってしまった。大雑把といえば炎鵬も大雑把だったのだ。両差しだからといって左右とも深くしてしまっては相手と同化してしまう。 そして上下に揺すられた。炎鵬両膝ともにガクンと落ちて土俵に正坐…古い古い鰭崎英朋「角觝画談」に出てくる「胴突き」の図と同じ恰好、 とあらば決まり手は吊り落とし？それとも鯖折り？…発表もないまま協会御挨拶へ。
(以下次頁)
十枚目取組・三
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