平成三十年九月場所千秋楽観戦記
そ の 七(平成30年 9月23日)
この場所は十枚目だけでなく三段目にも同点者がいて、優勝決定戦は東に朝興貴、西に栃幸大。朝興貴は本来ならば幕下にいなければならない人で、 負けが込んで三段目に下がっただけ。得意の突っ張りで栃幸大を寄せつけなかった。
十枚目は大奄美に徳勝龍、実力からすると大奄美の方が上になっているが、右差し左前褌狙いの大奄美を徳勝龍は右から引っ張り込んで左四つに引き込んだ。 鶴竜が隠岐の海を一時期苦手にしたのも、鶴竜が左を引っ張り込まれて起こされたからだ。大奄美は右が使えないのに出ていった。 ここでまたまた徳勝龍の計算が働く。大奄美の足が止まって腹が出るところ、徳勝龍は十八番、右に廻っての突き落とし、こんなに力のこもった突き落としもそう多くは見られない。 意外にも徳勝龍の十枚目優勝は初めてだ。25年 5月、
突っ張り主体で快走
したことがあったが、12勝したものの意外にも優勝ではなかったのだった。
全ての段の優勝が決まり、幕内力士の土俵入り。本年の東京本場所はこの日が最後、掉尾を飾る華やかさ。
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