平成三十年九月場所千秋楽観戦記
そ の 八(平成30年 9月23日)
横綱土俵入りは、千秋楽なので序列の通り、鶴竜から。時津風一門の横綱鶴竜は二所系の貴乃花から土俵入りを教わったが、 二所系の土俵入りは、遡ると玉錦ではなく双葉山に行き着く。つまり、時津風系の横綱土俵入りを時津風系に再度伝えたという珍しい功績が貴乃花にはある(尤も、時津風系の横綱が出なければこの功績もなかったわけだから、他力本願と言えなくもない)。 そうはいっても、双葉山とも似ていないし初代若乃花とも似ていない。時津風系や二所系の誰とも似ていない。個性が出るのだから似る必要性などありはしないが、無関係である朝青龍の恰好に近くなったのが不思議だ。
白鵬の型は遡れば羽黒山に行き着くが、これも途中で二所系(琴櫻)を経由しているのが面白い。初代から三代の若乃花までの横綱は22人だが、 そのうち二所系は10人。しかも二所系はいわゆる雲龍型も不知火型もこなしているので、横綱土俵入りの総合センターのようになっていた。
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