令和元年九月場所八日目観戦記
そ の 四(令和元年 9月15日)
琴鎌谷は一山本らといっしょに前場所関取になり、師名の琴ノ若を継いだ。といっても父琴ノ若は幕内で 3回改名したが、 琴「ノ」若時代の「若」は草かんむりの真ん中を切る旧字体だった。息子琴ノ若は普通の「若」。番附では「前」のかんむりのように書かれる。 旭秀鵬とは右の相四つ、先に上手下手と取って形をつくった琴ノ若、グイグイ攻めて右を突きつけ寄り倒す。もう少し腰を落として足を出せればなお良いが、 力強い寄り身を披露した。
道産子 3人目、西からは矢後。喧嘩四つの攻防になるかと思ったが、隆の勝が突っ張りから右に引き落とすと矢後引っ掻き廻され、 慌てて真っ向から叩いてしまう。旭大星も殆どいいところなく負けていて、落胆する道産子桟敷。
千代翔馬左四つに低く組みつき、水戸龍が無理に起こそうとするところでちょっと強引だが左の外掛け、崩して浴びせ倒した。 水戸龍、何がやりたいのかさっぱり分からない。
千代丸が重力の恵みを受けられず完敗したあと、十枚目最後の一番は、西に大奄美、東に霧馬山。変わって左上手を取り低く構えた霧馬山、 右下手も引いて大奄美を苦しめるが、霧馬山も自分から動けず苦労する。しかし大奄美に技術があるかというとそうでもなく、 右肩が死んでいて起こせない。左おっつけで強引に西に出ようとしたが、腰が伸びて逆に攻められた。
(以下次頁)
十枚目取組・三
十枚目取組・四
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