令和元年十一月場所初日観戦記
そ の 十一(令和元年11月10日)
観衆のほぼすべてがお目当てにしているだろう、炎鵬の出番がやってきた…のだが、両者が蹲踞すると、炎鵬果たしてどこへやら。
時間いっぱい、山の向こうから炎鵬の左腕が飛び出してくる。左で下手を深く取ろうと左に廻った炎鵬。山こと剣翔、得たりと応じてこれまた左に動き、 ガバと右で上手を握る。炎鵬右でも前褌を取っているが、剣翔全く構わない。一呼吸、炎鵬左に体を寄せながら、強引に引きつける。 剣翔落ち着いたもので右左と足の配りを直す。ここで炎鵬左下手から引き据えるように投げでも打てれば展開は違ったが、炎鵬腰を引いて一休みの体。 剣翔は休ませず、右から引きつけざま体を廻し、左で頭を押さえて上手投げ。炎鵬全く為すがまま、裏っ返しに叩きつけられた。
前場所とほぼ同じ、炎鵬が左下手を取ってくれるからか、剣翔は安心して取っている感じがする。そんな剣翔は、組みにきてくれない石浦が苦手だ。
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