令和二年一月場所初日観戦記
そ の 五(令和 2年 1月12日)
左を入れて若元春を起こそうとしているように見える魁勝だが、実は差したかったのは右で、これをおっつけられて逆に起き、 両廻しを引かれて胸を合わされ動くこともできず、左下手投げで簡単に捨て去られた。こんなに差があるのかと思うような東西の幕下筆頭。
この日は比較的進行が早かったが、幕下で塩を入れることなく、ここから十枚目の取組。豊昇龍大きく踏み込んで当たったが左が甘かった。 魁右から左の二本差しは大得意、出ながら左を突きつけて、廻しを押しての詰めは完璧。
千代鳳に照ノ富士、東西の13枚目なので初日に組まれるのは当然だが、初日早々から十枚目としては豪華すぎる割である。 知名度の高さは断然照ノ富士なので、照ノ富士への声援が優勢。土俵に上がる照ノ富士がいきなり角俵で躓いたのにはびっくりしたが…
時間いっぱいの千代鳳の仕種、相変わらず時間を要するのは困ったものだと思う一方、なぜか懐かしさも覚える。
前場所
幕下でも同じようにやっていたのだが。その千代鳳は、左も右も入れた…というほどでなく、 少し覗かせた。照ノ富士、これを何の躊躇もなく閂で極めて出る。千代鳳忽ち苦悶の表情、赤房に下がって腕を抜くが後がなく、押し出された。 照ノ富士強い強い、形も何もといった感じ。それだけに危うさも孕んではいる。
(以下次頁)
十枚目取組・一
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