令和二年九月場所七日目観戦記
そ の 十四(令和 2年 9月19日)
豊山も突っ張ってはいるのだが、きちんと見ながら対処しているのが貴景勝で、自分の流れで足を動かしているのも貴景勝。豊山は揺らいで立て直そうとしての繰り返しになっている。 貴景勝は最後は左から右と筈に入った。豊山は持ち上がってしまったようで、左足が俵を越えて勝負あり、正面の桟敷最前列まで走っていき、桟敷の枠に手を掛け痛みを堪える。 右足が内に入ってしまい、捻じった形である。
この日の森永賞は、結びにかけられた。森永賞といえば、館内に投票箱があって、最多得票の取組にかけられる。60年以上もこのスタイルだったが、 7月からはデジタル森永賞として、webサイトからの投票に切り替えた。
結びを務める朝乃山、この日は前場所巨体を土俵に横たえた、忌まわしき照強戦である。朝乃山は
初日
から 3連敗して虚ろな表情になっていたが、 どうやら五分に戻したところで迎えた曲者戦であった。時間いっぱい、照強はまたも、前場所と同じく朝乃山の左脚を狙った。 朝乃山、この狙いを知ってか知らずか、左腕で阻む動き。あとは逃れんとする照強を突きで圧倒、やっと白星を先行させた。
朝乃山に代わって弓を振った将豊竜、役目を終えて土俵をおりる。弓取式担当になってからしばらく、将豊竜は弓を振り終えたあと、勝負審判の退場を土俵上で待っていたのだが、 先に土俵からおりる通常の形に変わった。やはりその方が引き締まる。
やはり 1時開場だと瞬く間に打ち出しになってしまう印象である。内容は初日より濃かった。
前頁へ
前画面に戻る
