令和二年九月場所千秋楽観戦記
そ の 六(令和 2年 9月27日)
晴れの関取昇進場所、 2週間前には想像もしなかったであろう白星なしの千秋楽。王輝は 8日目に左腕を痛めている。左四つだが差しにいけないしおっつけもできない。 当てるべき対戦相手は当然不成績者から探すのだが、勢とは13日目にぶつけられたので、錦木や旭秀鵬という選択肢もあったと思うが、馬力のある千代丸が選ばれた。 額で当たった。左からおっつける。戦術として至極真っ当である。そうはいっても効かないんだからどうにもならない。千代丸がはね返すと、王輝ひとたまりもなく15戦全敗が決定した。 15戦全敗は10例目、平成17年11月のよう司以来だが、よう司の楽日は引退による不戦敗だから、皆勤となると12年 7月の星誕期以来となる。
協会御挨拶は、初日とくらべ遠藤が減って 6人の役力士、そして真ん中に八角理事長。この御挨拶が終わるなり、東花道奥からシュッシュシュッシュと音がする。 汽笛一声…なんてことはないけれど、土俵をさして突進するは、千代鳳である。千代鳳、土俵上でも蒸気を噴き出し…ているわけではないが、 いちいちシュッシュと息を吐き、蓄えた馬力を琴ノ若にぶつけた。琴ノ若は結局下がりながらこねくり廻しただけで敗れ去る。 起きたままの立ち合いが琴ノ若の課題、千代鳳が浮き彫りにする。
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十枚目取組・三
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