令和二年九月場所千秋楽観戦記
そ の 五(令和 2年 9月27日)
明瀬山に天空海、注目する者は多くはなかったろうが、実はうまくいけば幕内に上がれるかもという重要な一番だった。 ところが、一つ踏み込みながら額で当たってかち上げ気味にはね飛ばすはずの明瀬山が、意外にも力のない踏み込み。 天空海も立ち合いの当たりで勝負する人だけに、そのまま有利に運んで快勝、そして幕内の座を掴んだ。
1月の不振が信じられないほどの復調、千代の国。当てるべき好成績者が残っていなかったということか、楽日の相手は既に 9敗の大翔丸で、 大翔丸がひとりでに転がったかのような、段違いの相撲になった。
美ノ海は、自分より 2つ若い弟・木崎海が先に引退しショックは大きかったろうが、よくぞ勝ち越した。 残念ながらこの場所の筆者の観戦日は 3戦全敗、左を締めながら当たり右で起こそうとするがあまり通じている印象がなかった。 この場所は自己最高位(東 7枚目)だったが、弟の最高位(西 3枚目)にはまだ達していない。近い目標はそこになろう。
俄かに崩れた錦富士、千代翔馬の掻き回し戦術にこの日も崩され遂に負け越し、 7日目時点では 3つの貯金があったのに。
(以下次頁)
十枚目取組・二
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