令和三年三月場所千秋楽観戦記
そ　の　一(令和 3年 3月28日)
　11時すぎ、地下鉄で両国に着いたら、季節外れの猛吹雪、ではなくて、季節にぴったりの桜吹雪だ。桜の時期の両国は初めて、相撲教習所近くの桜は、 鬢つけ油の香りとともにひらひらと漂い…といけば風情もあろうが、なにせ雨は本降り、花弁も濡れて重みに負ける。あっという間に地に落ちた。

　晴れてもいればのんびりと桜を愛でたいところだが、それなりに強い雨脚、写真を撮るだけ撮って、そそくさと雨宿り。11月と同じ相方と、 腹ごしらえに赴いたが、制限興行とはいえやはり千秋楽、混んでいた。

　腹を満たし、この日の取組の帰趨を占い、窓から国技館を見やると、やはり千秋楽、大行列だ。どうせ指定席、焦るこたぁないと言いながら、 列が動き出したのを見計らって、 1時を少しまわった頃に出動したら、やはり千秋楽、またまた行列が大成長していた。

　雨上がりの昼下がり、国技館に吸い込まれていく人の列。やはり千秋楽、 2日目とは違う。定員の半分弱とはいうものの、混んでいる。 4時間後、幕内の星争いがどうなっているか、観客5,000人の胸のうち、期待に満ちていただろう。
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