令和三年三月場所千秋楽観戦記
そ の 十(令和 3年 3月28日)
中入後 2番目、豊昇龍は左上手が欲しかったが、右下手一本でも相撲になるので半身になってしまう。半身になるなら、もっと右が深く入っていた方がいい。 それよりも何よりも、相手に左上手をやりすぎる。英乃海は苦戦したが、力の入れどころ抜きどころ、よく心得ている。特に内掛けの外し方は巧みだった。 そして外した直後を捉えたタイミングも素晴らしく、豊昇龍を振り捨てた。初めて幕内で勝ち越し、さらに二桁の白星、長い年月がかかったが、ようやく戦果を挙げた英乃海。
弟の翔猿、右で魁聖の右膝を押さえる。廻りながら下手投げを打つ小さい力士には必須といってよいこの戦法。
琴ノ若は両差しに拘り、高い腰がその都度さらに高くなる。最後には大奄美の右下手を切ろうとして起こされた。非力も気になるが、浮かんでいる太腿の筋肉を見ても、まだまだ物足りなさがある。
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幕内取組・一
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