令和三年五月場所七日目観戦記
そ の 十七(令和 3年 5月15日)
結びは、正代−霧馬山。霧馬山は曲者で腕力は幕内屈指、正代が左を入れたとて霧馬山が得意の四つではないにしても右上手を取ったら、番狂わせもなくはない。 霧馬山の当たりは確かに鋭かった。そして右喉輪で押し上げたあと、正代自慢の左をおっつけた。まともな戦法である。正代ここで右から引っ張り込んで左を割り込んだ。 そう、正代の左の方が強かったわけだ。霧馬山、ガッチリ挟みつけられては為すところを知らなかった。
将豊竜の弓取式からは、せり上がる姿を。上体を倒さず、腰を据えたその姿、白鵬や鶴竜より力感がある。
この場所もある抽籤会、この場所は抽籤方法を場内放送の行司が朗読したが、叮嚀すぎて些か場違いの感。 感染症対策としての規制退場を兼ねることなどをきちんと説明したいという意図は分かるのだが、これだと文書を見せているのと変わらない。 伝える方法として、前場所までのように呼出し自らが説明した方が得策であったろう。この日のゴッドハンド役は熊ヶ谷さん(玉飛鳥)、 当たったかどうかは、ご想像にお任せする。ちなみに、想像しやすい方である。明るい初夏の夕方、力士幟の向こうから、響くはね太鼓。
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