令和四年九月場所十一日目観戦記その十四

令和四年九月場所十一日目観戦記
そ　の　十四(令和 4年 9月21日)

　髙安の相撲の次は、東が玉鷲で西は北勝富士。これは 1敗同士、この場所の分水嶺と言っていい。

　玉鷲と北勝富士が控えに入って土俵上、宝富士に豊山が前半戦最後の一番だ。宝富士は既に負け越していて、豊山は向こう給金まであと 1敗というところ。内容的には豊山の方が深刻で、この日はこの場所一番というぐらいに手数を出して突き立てたのだが、後ろにしている右足が落ち着かないので腰がよじれ、攻め切れずに入られて敗れた。何度も天を仰ぐ豊山。

　いよいよ後半戦、この場所は長引く相撲がない好調の髙安は、喧嘩四つの妙義龍を相手に迎えた。当然右を入れてくるだろう妙義龍に対し左からどうするかというのが焦点。

　ところが妙義龍、差し手争いに拘らず右の喉輪で押さえにかかりながら左で髙安の右を牽制する。勝手が違いやや戸惑う髙安。妙義龍が左から去なすと髙安僅かに左を覗かせ肩透かし、妙義龍これをしっかり残し、右で今度は肩を押さえる。髙安は右腕を捕まれて動けなくなった。
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幕内取組・三

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