平成二十七年七月場所八日目観戦記
そ の 八(平成27年 7月19日)
23年余の力士生活で身につけた貫禄溢るる若の里、赤房下にて柏手を打つ。幕内を横綱まで見渡しても、このような威厳を具えた力士はいない。
そうはいっても両膝はもう弾力を喪い、特に右膝はかなりひどい状態と見受けられ、土俵に上がるのも大儀そうではある。ここまで 2勝 5敗。 組むのに苦労しながら組めば豪快という取り口で関取を保ってきたが、この場所に関しては組んでも苦闘を強いられている。
押しが得意という錦木を左四つに捕まえて右上手を探る。殴るように取りにいくというのは基本的な取り方の一つ、若の里一枚掴んで振り廻す。 ここを先途と必死の寄り、さらに強引な右上手投げ、錦木を捻じ伏せて大喝采を浴びた。錦木は右を巻き替えようとしたり下手を切ったり、 錦木なりにいろいろと試みたものの、遠く及ばなかったといえようか。
(以下次頁)
十枚目取組・二
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