平成二十九年一月場所初日観戦記
そ の 十五(平成29年 1月 8日)
幕内後半戦、勝負審判や控え行司がが正面貴賓席を見上げて待つ。ここから天覧相撲。館内を埋める万余の観衆とともに。惜しむらくは内容が前半戦と比べると薄く、平凡だった。
最初の一番は遠藤がやや強引だったか、豪風に首を引かれると遠藤赤房に突っ走ってしまった。栃煌山も首を引いたが、こちらは何の攻めもなく踏ん張れないというだけ、あっという間に東に敗れる。
新関脇で新年を迎えた玉鷲、確かに右の豪腕は知られていたが、その使い方が劇的に良くなった。殆ど生きていなかった左で相手を制禦できるようになった。 攻めがまとまったことで、破壊的な取り口となった。
大関陣はまずカド番の琴奨菊、初日を見る限り、動きが良いとはお世辞にも言えなかったもののこの分なら何とかなるかと思ったものだ。 一方照ノ富士は下半身がグラグラ、攻めは効かないし守りはないも同然、前途という語はあるが「途」そのものがあるのかどうか、という完敗だった。 豪栄道も完敗に近い内容。腰痛がひどいという話は聞こえていたが、当たり負けて腰が崩れ、両差しになられて右首投げで抗うのがやっと。 結局この場所途中休場で終わったが、よく相撲をまとめて勝ち越せたものだ。前場所三役ではね返された御嶽海、この場所は波に乗る。
(以下次頁)
幕内取組・五
幕内取組・六
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