平成二十九年十一月場所初日観戦記
そ の 六(平成29年11月12日)
膝が一向に良くならない大砂嵐が十枚目下位に沈んでいる。臥牙丸も浮き沈みがやや大きいか。最初に顔を突いたのは大砂嵐の方だったが、 逆に臥牙丸が両手で顔を押していく。臥牙丸の悪い癖の一つと言えるのだが、大砂嵐に踏ん張る力がない。廻しを掴んだ時には土俵際で反っていた。
まともに引いてしまった山口、写真で見ると首を引いたように見えるが、実はほんの一瞬手を掛けようとしただけで、引くことすらもできなかったのだ。山口の顰めっ面はお馴染みの感もある。
照強は左で浅く前褌を取って、良い恰好のように見えるが、剣翔は右で前褌を浅く取っているのであまり苦しそうでない。 出ようとして胸を合わされたのはやはり剣翔が右を使えたからだった。
蒼国来は右前に大きく出て左四つ狙い、決して速い立ちではないのだが、註文通りの左四つ右上手で青狼を退治。悠々と勝ったようにも見える数段上の強さ。
サッと体を躱す巧みさがある琴恵光にこの恰好の左四つは無茶ではなかったか。天風は左も右も使えていないし膝も曲がっていない。 悪いときの稀勢の里よりさらに悪く、青房にバッターン。琴恵光は宮崎県の産、拍手がやはり大きかった。
(以下次頁)
十枚目取組・二
十枚目取組・三
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