平成二十九年十一月場所初日観戦記
そ の 十(平成29年11月12日)
前場所大きく崩れながらも賜盃を得た日馬富士、優勝旗とともに返還する。二度と触れ得ぬ賜盃かな。
顔触れ言上を見るのは
およそ 2年ぶり
。今回はよく声が通って聞こえた。「憚りながら」と始まるが、 別に憚らなくたって、とついつい思ってしまう。
正真正銘、満員御礼の福岡国際センターはいよいよ初日中入後の取組。足腰のバネがあまり見られなくなり十枚目に落ちた妙義龍、 再入幕の初日は、深々と右を入れて突きつけ快勝。盛りの頃のような鋭さからはやや遠いが、この形になればまだまだ。
大奄美は新入幕。四股名が示すように鹿児島県出身ということになるが、土俵入りでの拍手は今一つ多くなかった。 左前褌を取って右四つになりたいのだが、その左を抱えられて突っ立ってしまうのは家賃の高さゆえか。
そして西方、いよいよ戦後最高齢再入幕の安美錦が土俵に立つ。土佐ノ海の記録を半年塗り替えたことになるが、 土佐ノ海は運としか言いようのない再入幕(前場所は十枚目西 7枚目で 8勝)で、翌々場所には東幕下筆頭に落ちて引退している。 安美錦は大怪我のあとの力の下降をよく喰い止めたといえる。それにしても四股の形の良いこと。
(以下次頁)
幕内取組・一
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