平成二十九年十一月場所初日観戦記
そ の 十三(平成29年11月12日)
この日最高の好取組、松鳳山に嘉風の顔合わせ。福岡に大分の九州対決だが、激しい一番が期待できる取組だから、九州場所限定の好取組というわけではない。
時間いっぱいの 1つ前の仕切り、どこからか嘉風への声援が沸き起こった。するとそれにかぶせて松鳳山への応援。
♪よー しー かぜっ！ よー しー かぜっ！
♪しょーほー ざんっ！ しょーほー ざんっ！
両者とも入るなら左からだが、左を入れたがった嘉風に対し松鳳山は嫌い、嘉風が突っ張りに転じて東に進むと、松鳳山自分の距離を作ってサッと突き落とす。 短くはあったが互いの狙いが明瞭で、火花を散らした。
栃煌山はこの固い体を精一杯使ってヒラリと躱したつもりだったが、正面の伊勢ヶ濱審判部長代行は「おいおい」とばかり西の蛇の目を指差す。 栃煌山は玉治郎の軍配を受けたものの、浮かない表情。当然の如く差し違いとされ、ますます浮かぬ顔。
千代大龍に安は予想通りの体当たり、千代大龍の方が当たりは強かったが、もともと足運びが悪い人が押さえられては身動きが取れず、引き落とされて滑るように着地した。
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