平成二十九年十一月場所二日目観戦記
そ の 六(平成29年11月13日)
青狼は左が欲しいのだが上体がすぐに立ってしまい、二度まともに引いて敗れる。両者とも足の構えはガッチリしていたが、 そこから足を動かせるかどうかで勝負が決まった。
天風の肥躯でさっぱり見えないが、蒼国来は踏ん張って右で前褌を引きつけた。こうなっては天風は足が動かない。結局捻り倒された。 天風が膝を曲げて取るようになれば、大化けしても不思議ではないのだが。
道産子とは思えない色黒の旭大星と、南国出身としている割には色白の佐田の海。佐田の海が突き勝って西に進んだが、佐田の海の得意からすると少し強引だったか。 右を手繰られて右足が上がってしまい、うまいこと逃げられた。
阿炎という力士は脚も長いし腕も長い。この長い腕で押さえながら体を開いて引き落とすのがよく決まる。突っ張りの腕を磨き上げて欲しいのは言うまでもないけれど、 引くときに大事なのは自体をどう捌くかだということを見せてくれてはいる。この写真で見ると大したことなく見えるが、現場では銀治郎の装束が煌びやかに見える。次の錦太夫のもまた然り。
中入後の正面解説を務める大乃国の芝田山、難しい顔をしながらスマートフォンを操作する。スイーツ持ってるわけではないから、甘い表情ではない。
(以下次頁)
十枚目取組・三
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