平成三十年九月場所初日観戦記
そ の 十六(平成30年 9月 9日)
前場所左肘を痛めて途中休場した琴奨菊と、この 2年くらい左肘が思わしくなさそうな宝富士。琴奨菊が両差しを狙うのを宝富士左で阻んだが腰が浮き、 右突き落としは渡し込みで対抗され、東に詰まって突き落とされた。宝富士の根の生えたような受けがだんだん見られなくなってきている。 しかも宝富士は 7月に左肘を骨折していたとか。
阿武咲先に立って突っ張ったが、全然効かなかった。阿武咲体勢を下げてなおも突こうとしたが、輝は右を抱えて振った。阿武咲踏ん張ったが、輝休む間もなく押し上げて、 青房の砂かぶりに阿武咲を押し飛ばした。見下ろす輝が逞しく見える(幕内力士なのだから逞しいのは当然だが、なおさら)。
中入後の後半最初に出てきたのは朝乃山。筆者の席の左は朝乃山の応援団だった。相手は復調著しく、容易ならざる相手・妙義龍。 朝乃山やや立ち遅れ、右の突きが空を切り右を巻き替えるところ、妙義龍左から攻めて朝乃山の右を殺す。朝乃山左に飛んで叩くと妙義龍は低く出て胸を押しながら東に攻めた。 ここで朝乃山、天井を向いて大いに反り身、妙義龍は目算が狂った。両手とも外れて朝乃山に乗りかかってしまう。朝乃山右から突き落として妙義龍を倒す。 褒めるとすれば妙義龍で、朝乃山の取り口に褒めるところは何もないが、柔らかい腰だこと。
逸ノ城突っ張って出てから両手で頭を押さえつけた。流石は遠藤でよくついていき、左から右と入って赤房下。立ち腰になった逸ノ城の脆さは誰もが知っている。
(以下次頁)
幕内取組・三
幕内取組・四
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