令和二年九月場所初日観戦記
そ の 六(令和 2年 9月13日)
中入前最後の一番、呼出し大吉が「いきおーいー、いきーおーいー」とやるのを聞いて相方「 2回呼ぶの？」と聞いてくる。 2度目の見物にして、なかなかよく見ている。交錯する東西の塩、交錯する左右の腕。そして交錯…しないで横転する両力士。 両者とも足許に不安があり、この日は琴勇輝の左足が内に入って先に転がった。
幕内力士の土俵入り、上限2,500人の制限下では、客席は従来の十枚目の土俵入りの時間帯のようだ。東方は、久々に幕内に戻った旭大星がいて道産子の筆者を喜ばせる。 その隣、翔猿は新入幕。半月後、主役の一人になっていようとは、誰が思ったろうか。白鵬がいないので、炎鵬は自分の化粧廻しをつけている。貴重かとも思ったが、 白鵬の休場が頓に増えてきたので、その稀少性はさほどでもない。西の先頭は新入幕の豊昇龍。どうしても朝青龍と比べられるのだが、今のところは相撲の筋が異なるようで、比較がなかなか難しい。 真正面に見えるのは宝富士、相変わらずの貫禄である。
協会御挨拶のときには、横綱がいなくたって寂しくも何ともないのだが、幕内土俵入りが終わって横綱土俵入りがないというのは、やはり物足りなさがある。
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