令和二年十一月場所二日目観戦記
そ の 十(令和 2年11月 9日)
前場所 7日目
に書いた、塵浄水後の魁聖。まず左肩、次いで右肩の順で、塩を落とす。
迷える炎鵬、魁聖の左足が痛いのを見越してか、左腕を伸ばしながら上手を求めて左に大きく飛び上がった。 ところが魁聖、迷いなし。右筈一つで受け止める。覚えておいてもらった
千代大龍
の体の捻じれ、 これが軽量力士炎鵬の場合、足まで上がってもはや崩潰状態である。とどめの一撃で魁聖難なく炎鵬を倒す。炎鵬、後悔先に立たず、腰を割ったまま立てず。
当たると見せて飛ぶというような仕掛けがまるでなく、深みのない変わり身といえた。平成16年 5月の初日、左に飛んだ追風海がそのまま正面溜まりに押し飛ばされている。 こうして見事に看破されるさまは、筆者にとって、変わり身が決まる面白みを上廻り、痛快に思える。
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