令和三年三月場所二日目観戦記
そ の 十七(令和 3年 3月15日)
贅肉を落とした貴景勝、前場所優勝の大栄翔を迎え撃つ。額同士のかまし合いを繰り返すこと数度、かましたあとの突きは貴景勝の方が手数があり、 左突き落としタイミング良く決まって貴景勝の勝ち。大栄翔が貴景勝のリズムに乗ってしまったようで、飲み込まれてしまった。
場所前の稽古から安にかなり苦戦していたという朝乃山、差し手争いから右四つにしたが、先に両廻しを取られて右が死んでしまい、 朝乃山が右下手前褌を探る間に安は左を浅くした。こうなっては朝乃山堪えるのが精一杯、右膝から崩れる。安の上手を切るでもなく、 そればかりか上手を生かしてしまう朝乃山、どうしてしまったのだろう。
結びの白鵬だが、両肘と右膝にサポーターをつけ、蹲踞は右膝が充分に曲がらず、背筋を伸ばせず両肩に力を入れてやっと支える恰好。 いつもなら相手が立ち上がっても自分はなかなか立ち上がらないので非難されているが、この場所は長いこと蹲踞をしていられない。 時間いっぱいの蹲踞はどうにか背筋を伸ばしたが、やはりすぐに立ち上がる。この膝なので、左足で踏み込めない白鵬は、左手で宝富士の顔を押さえてから右肩を寄せにいった。 どうやら右からおっつけて右四つに持ち込んだが、左で宝富士の右を攻めることができず、途中で右足を前にしたのに、それでも右から起こせない。
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幕内取組・六
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