令和三年三月場所千秋楽観戦記
そ の 十七(令和 3年 3月28日)
照ノ富士意外にも右を手繰りにいった。無論これ自体は効いていないとみてよい。ところが照ノ富士の上体がかなり左向きで、貴景勝の当たりは効果が落ちた。 照ノ富士やや後退しながら、今度は左肩を出す。貴景勝そこに額で当たって左で肩を突き上げながら右筈で押そうとする。照ノ富士は右足が俵に掛かるが、 左からおっつけた。右は、腕ではね上げるや差して下手を探る。貴景勝は右肘を上げられて押すことができず、左も締まらなかった。貴景勝足が完全に止まってしまいやむを得ず、 やりつけない左からの小手投げ。右肘にも古傷のある照ノ富士だが、抜きながらついていく。貴景勝左に廻る余裕なく、逆に突っ張られて剣ヶ峰、ウンと踏ん張る遑もなく、 胸の一押し逃るる能わず押し出された。土俵上、仁王立ちの勝者・照ノ富士。
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