令和三年五月場所七日目観戦記
そ の 九(令和 3年 5月15日)
花道奥から柝の音が響く中、琴勝峰に宇良が時間いっぱい。幕内で攻めて勝つ力量のなかった琴勝峰、右足首を痛めてからは十枚目でも勝てなくなった。 自分の得意というものがないのだから、当然のことといえる。この相撲も宇良を入れまいと突っ張ろうとしたところまでは意図が窺えたが、 上に抜けてしまって目算が狂い、為すことすべてが裏目裏目、宇良の自在な攻めに引っ繰り返された。
赤房で体勢を下げて堪えようとする炎鵬だが、かくも右膝が折れているということは、もはや堪えるという域ではない。 逃れたというよりは泳がされ、そうするうちに姿が消えた。次の瞬間には西に飛び出し、砂かぶりで右足首を押さえる。 無理な出場を続けると左足にも影響が出かねない。関取の地位が懸かっているのは分かるが…
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十枚目取組・四
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