令和三年五月場所十四日目観戦記
そ の 十六(令和 3年 5月22日)
どよめきの残る国技館、夏場所14日目はいよいよ結び、 3敗の貴景勝に勝ち越して一安心の正代。楽日の割はまだ決まっていないが、照ノ富士−貴景勝を組むのが自然、 そうなれば貴景勝は前日の黒星を引き摺ってはおれぬ。正代は体当たりで弾き飛ばしにきたが、貴景勝当たって突き起こし、正代が右を固めて右肩を出してくるところで左から撥き倒した。 大関同士の相撲としては内容が豊かだとはお世辞にも言えないが、貴景勝は相手がよく見えていた。
部屋頭が這った西の二字口、時津風部屋の将豊竜が弓を受け、力強く弓を振る。この場所正代が結びを務めたのは 4回、この日は黒星で残念だったが、 実は 3勝 1敗と好成績、
7日目
のように兄弟子の代わりに弓を振るのは誇らしいことだろう。
籤引き担当は、鶴竜であった。横綱がここで場所を引き締める。さすがに14日目で観客はそれなりに多く、従って狭き門、引き締められてしまっては当たろうはずもなかった。
前頁へ
前画面に戻る
