令和四年一月場所二日目観戦記
そ の 八(令和 4年 1月10日)
俯き加減に足の位置を決めて腰を割った炎鵬が、鎌首を擡げてキッと徳勝龍を見据える。懐に入るや両筈で押し込んだ。 出足早の猛襲、体重ほぼ倍の徳勝龍が体を捩らせる。炎鵬左に開いて徳勝龍の右脇を抜ける。徳勝龍は炎鵬の右を滑るように土俵に転がった。 勝った炎鵬も、負けた徳勝龍も、互いに溜め息を一つ。
前日
じっくり見られて敗れた錦富士は、立ち合いに先制して主導権を握り、攻め返そうとする美ノ海を右に左にと大きく動いて翻弄し去る。 目指している相撲ではないだろうが、勘と動きが冴え渡った。
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十枚目取組・二
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