令和四年九月場所十三日目観戦記
そ の 七(令和 4年 9月23日)
天空海右肩から強く当たって右を差しにいったが、天空海は強いて組むなら左四つの方が良いし、右四つ得意の魁勝に得手でも何でもない右四つで挑むというのが無茶だった。 巻き替えて浅い両差しになるも魁勝に両上手で締めつけられ、左を切ったりもしたものの、右下手から引っ張ったのがまずく赤房に潰れてしまった。 締め込みは腹巻同然、くすくす笑いがあちこちから聞こえる。
下半身が大きくなったように見える炎鵬。両足首に故障がある分減殺されているとはいえ、 2年前よりは良い体つきになってきた。 相撲そのものは武将山が全く恐れずについてきて歯が立たなかったが、足首がいくらかでも良くなれば前途は決して暗くはないだろう。 それよりも炎鵬の動きから逃れる行司朝之助に注目したい。急いで逃げながら蛇の目を踏まずに飛び越える。 蛇の目を乱さないのは行司の鉄則…しかし、この状況に際会したら、そうたやすくはできまい。
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十枚目取組・二
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