令和五年九月場所初日観戦記
そ の 七(令和 5年 9月10日)
川副改メ輝鵬は関取 2場所目、左足首に加えて親指まで痛め、引退した石浦の締め込みを借りて出場していた前場所は途中休場している。 この場所は自前の締め込みのお披露目だが、ついさっき落ちてきた朝紅龍に右足を踏まれた。右のアキレス腱にも古傷がある輝鵬なのであった。 その輝鵬だが、左の四股が特に良くない。左を上げ、上げ切ったら膝裏を支え、引っ張り上げるようにして軸足の右膝を伸ばしている。 腕の助けで膝を伸ばすのは四股ではない。輝鵬が突っかけてやり直しになり、高橋ともども正面浅香山(魁皇)審判長に深々と一礼するのも、あまり良いものではない。 さて輝鵬は左筈右喉輪で数度突いたあとに入ろうとしたが、高橋の真正面で挟みつけられ左外筈で押し飛ばされる完敗スタートとなった。 高橋は関取としての初戦を落ち着いて取ったように見えた。表情があまり変わらない人のようである。
時疾風は両差し狙いの恰好から右に引き落として左から出し投げ、振り廻して押し出す自分の流れ。得意は左四つで変わらないはずだが、 出足が乗った突きっ放しにも威力があった。
関取としての紫雷を見るのも初めてだったが、白鷹山の突っ張りに為すところなく黒星。終わってみたら紫雷は 6勝どまりだったが、 強い相撲を初日に取った白鷹山は 4勝しか挙げられず幕下落ち、これは予想できなかった。
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