令和六年三月場所九日目観戦記
そ の 六(令和 6年 3月18日)
筋肉が盛り上がった二所ノ関部屋の宮城に、左膝前十字靱帯断裂の大怪我から復帰して 2場所目の藤島部屋の藤青雲。喰いつけば宮城という一番だが、 宮城の右の去なしにつけ入った藤青雲、両手で顎を上げて起こし、右を手繰られても崩れず正面に押し出し圧倒、隙を見せなかった。
十枚目土俵入り前最後の一番は風賢央に木竜皇、ともに次の関取の座を窺っている。木竜皇低く入って右腕を伸ばし外枠に腿を取ろうとでもしたようだが、 風賢央の踏み込み足が右で全く届かず、風賢央が右を抜いて左に下がりながら叩くと木竜皇足が止まって赤房に這う。風賢央はそのまま勝ちっ放して幕下優勝、 関取の切符を手に入れた。
十枚目の土俵入り、東の先頭は北はり磨。 3年半ぶりの再昇進、もう37歳になっているが、しかも一度は三段目に落ちてもいるが、この細身に秘めたる底力。 西、左膝を痛めて幕内から下がった琴恵光は、僅か 1勝のみで厳しい場所を折り返した。
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