令和六年三月場所九日目観戦記
そ の 十四(令和 6年 3月18日)
力が抜けて棒立ちなのは錦富士。これは左踵の踏み切りを自覚してのこと。ところが勝負ありと宣せられない。 錦富士急いで体を廻すが、落ち着いて押すだけの安きちんと押し出す。
阿武咲手を出して機先を制するはずが、湘南乃海は狙って右を差しにきた。計算になかった阿武咲、あえなく挟みつけられ持っていかれた。 湘南乃海は根が左四つだが、意図して右四つになることもある。作戦勝ちといえよう。
北勝富士は左攻めが生きたときの強みが素晴らしい。右膝の恢復が遅れて好調な場所ではないが、この一番は流石の内容。
豪ノ山はいっぱいに腕を伸ばして右から突き上げる。この恰好だけを見ると手繰られそうにも見えるし、去なしで背を向けそうでもある。 しかし先制のぶちかましが効いていて、右喉輪にこだわらず右を筈に変えて休まず出た。
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幕内取組・三
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