令和六年三月場所九日目観戦記
そ の 十八(令和 6年 3月18日)
残り 4番は大関の相撲、琴ノ若は大栄翔に突っ張らせず、逆に押し込んで右喉輪で起こすと、大栄翔は観念してしまった。 琴ノ若としては相性が良い相手といえるが、それ以上に大栄翔の不調ぶりが相撲に顕れた。
貴景勝はちょっとのミスが命取りとなる翔猿戦、慎重すぎてもつけ入られるが、あくまで無理をせず徐々に起こしていき、 威力充分の右喉輪突きで浮き上がらせる。
豊昇龍は、十枚目での初対戦以来 5連敗した翠富士が相手、このところ 5連勝でやっと五分(幕内に限ればようやく勝ち越し)に持ち込み、 苦手意識は拭い去ったと思ったのだが、目にもとまらぬ早業にお手つき、 3敗目となった。立ち合いざまの肩透かしというと、 ずいぶん古いものだが昭和54年 1月に大関三重ノ海が横綱若乃花を土俵中央に沈め、北出アナウンサーに「何があったのか？」と言わしめた奇襲攻撃がある。 それは上から下にドスンと落とす形だったが、こちら翠富士のは右に素早く廻る華麗なものだった。
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幕内取組・五
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