平成三十年九月場所初日観戦記
そ の 十四(平成30年 9月 9日)
最初の一番、琴勇輝は石浦を警戒して見ながら突こうとする。対して石浦、額で一つ当たる。それから石浦が琴勇輝の右を払ってから左に廻るまで、 琴勇輝は体勢が右下に捻じれただけで動けず、釘づけ状態。石浦左から激しく突き落とすと、琴勇輝忽ち崩れて西に横転した。石浦にはこういった飛燕の動きがないと生き抜けない。
千代翔馬に嘉風は
前年 1月
にも見た顔合わせ、左相四つで先に千代翔馬が右上手を取り攻めたが、右おっつけの嘉風西で上手を取り、反り身になって大きく抜き上げた。
前に見たとき
もそう、千代翔馬は土俵と水平。嘉風豪快に打っ棄りを決める。写る前の客の両拳、これだけ見事なら突き上げたくなるのも分かる。 控えで右の脛をさする千代丸。
その千代丸は新入幕の隆の勝を受け切れず、呼び込んであっという間に正面土俵。隆の勝右差し左筈で右に攻める。右差し手の力の抜き具合が実にいい。完璧な詰めだった。
(以下次頁)
幕内取組・一
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