令和二年一月場所八日目観戦記
そ の 十三(令和 2年 1月19日)
御嶽海は左膝にテープをつけての登場、本来ならば非力を見せない技術があるはずなのだが、左で極めて出る強引な攻めが破綻し、 左をおっつけられると簡単に抜いてしまう。右差し得意とはいえ右四つ両廻しという相撲をあまり取らない妙義龍に引きつけられ、腰が伸びて何もできない。 御嶽海は自分の相撲を見失った。
この日注目の一番が、絶好調の正代と大関候補一番手となった朝乃山、喧嘩四つの対戦だ。立ち合いは分かりやすい。 右を固めて右肩で当たる朝乃山、両差しになりたい正代、激しい肉弾戦だ。朝乃山は突っ張って起こそうとしたが、 逆に正代左を筈にする。秘めたる威力ここで爆発、朝乃山右ではね上げんとしたがたじたじとなって後退、正代左を割り込んで組み勝った。 朝乃山右でおっつけ馬力に任せて出ようとしたが、正代は左肩に朝乃山を乗せている。正代の十八番、左からの掬い投げに朝乃山を討ち取った。 確かに朝乃山の足腰の備えは堅固ではないのだが、正代の掬い投げには遠心力も加わったような破壊力があった。
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幕内取組・五
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