令和二年九月場所千秋楽観戦記
そ の 八(令和 2年 9月27日)
花道上の座席、この日だけは座蒲団が置かれ、表彰者用の席とされていた。ではそれが埋まるかというとそうでもなくて、東花道上の表彰者用席は、 3つぐらいしか使われていなかった。 4人桝に座蒲団 1つ、これがこの場所の特徴で、あくまで観客としての感想を言えば、居心地の良さに慣れてしまうと、戻りたいという気が起こらないというのが正直なところ。
中入後最初の取組、ことによると幕内に戻れるかもしれない千代ノ皇と、ことによると幕内を滑るかもしれない逸ノ城の取組。逸ノ城まるで腰に力が入らず、 寄り身が全く様になっていない。上手投げは豪快に見えたが、寄れなくて投げ捨てただけ。逸ノ城は幕内の座を守り、千代ノ皇は再入幕を逸した。
佐田の海に豊昇龍は勝てば勝ち越し負ければ負け越し、この一戦が天国と地獄を分ける。天国の扉を開けたのは豊昇龍だった。扉の鍵がまさか佐田の海の尻にあろうとは。
右下手の若隆景が寄るのを志摩ノ海が突き落とし、完全に決まったと見たが、勝ち名乗りは若隆景。志摩ノ海は負けが分かっていたかすぐに引き揚げる。 筆者は志摩ノ海が蛇の目を踏んだ瞬間を捉えられず、砂が乱れた跡が残るのみ。
右腕を上げられてくっつかれた竜電、腰から下に力感なく、バタバタッと土俵のど真ん中に崩れ落ちた。この 2場所、緻密な相撲がなかなか取れない竜電、平伏。
(以下次頁)
幕内取組・一
幕内取組・二
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